没薬

 救い主の犠牲によって全人類が救われることを知った博士たちは、3つ目の贈り物を選びました。それが「没薬」です。「没薬」は、いわゆる薬ですが、特に死者を埋葬する時に塗る防腐剤に用いられていました。幼子の誕生、救い主の誕生を祝う贈り物としては縁起が悪く、最もふさわしくないものでした。

 しかし、博士たちはささげずにはいられなかったのです。なぜなら、それが聖書の預言、神の約束だったからです。救い主の犠牲によって全人類が救われる…


旧約聖書 イザヤ53:5

53:5 彼が刺し貫かれたのは

わたしたちの背きのためであり

彼が打ち砕かれたのは

わたしたちの咎のためであった。

彼の受けた懲らしめによって

わたしたちに平和が与えられ

彼の受けた傷によって、

わたしたちはいやされた。


 預言者イザヤは受難のメシアについて、まるで目の前で見ているかのように預言しました。この神の約束は必ず実現される!それを変えることはできない…とするならば、自分たちにできることは、罪の身代わりの犠牲となってくださる救い主の埋葬の準備をすることだけだと、博士たちは考えたのでしょうか。

 預言者もまた「油を注がれた者」でした。そして、預言者の生涯は受難に満ちていました。イザヤもその一人でした。イエスは多くの預言者の血が流されたエルサレムを見て嘆かれました。イエス自身、受難を受け、十字架につけられ殺されたのです。

 救い主の誕生は、預言者たちが語り続けてきた約束の実現であり、救い主は、神の言葉を語り、行う預言者としてお生まれになったのです。このように、博士たちの3つの贈り物には、「油を注がれた者」である「王」「祭司」「預言者」としてお生まれになった救い主への信仰が込められていました。


新約聖書 ルカによる福音書1:45

1:45 主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。


 このクリスマス、神の恵みと祝福に満ちた救いの約束が、すべての人の上になりますように!God bless you!


聖イエス会聖霊教会

能登半島の西側、志賀町の富来にあるプロテスタント教会です。

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